こころタウン

境界性パーソナリティ障害の人と付き合うかたの心をケアするブログです。ぜひコメント欄見ていって下さいね。

原因を気にしない接しかた

   

 

ジンです。

 

 

境界性パーソナリティー障害のひとは不安定なきもちを処理するために

暴言を吐いたり物を壊してしまったり、買い物やアルコールなどに依存してしまったり

自傷などの問題行動を起こしてしまいます。

それらは私達の想像の範囲からあまりにかけ離れているので、

どうしてこんなことをするのだろう?とせめて分かってあげたくて、原因に注目したくなりますよね。

でも、いくら原因が分かっても何も変わらない・・と経験された事のあるかたも多いのではないでしょうか。

原因分かってもしょうがなかった。

そんな行き詰まり感を感じてしまったときのために。今回は考えかたをガラリと変えてみます。

「解決だけに注目する接しかた」について考えていきましょう。

 

 

 

 
自傷をしてしまった。薬を大量に飲んでしまった。

SNSに自分の情報を際限なく書き込んでしまった。

借金してまで買い物してしまった。浮気をしてしまった。

根も葉もない噂をばらまいてしまった。

私たちは問題をおこすひとと接するときに、以下のような点に注目します。

・なぜそんな事をしてしまったのか?

・心にどんな問題をかかえていたのか?

・そうなるまでの過去の生い立ち

・問題をおこしたときの状況

そうなった原因や、起こっている問題、その人のきもち、分かりたいですよね。

でも、それに注目しても本人は止められなくて問題がおさまるわけではない、なんて

途方に暮れたことのあるかたも居るんじゃないでしょうか。

自分は途方に暮れすぎました。笑

 

 

そんなときにオススメな接しかたがこれです。

 

「で、どうしたいの?」

 

起こした問題や、そのときの気持ち、過去の事情などは考えず、横に置いといて。

接するときは、解決だけに焦点をあてていくんです。

起こしたできごとについては触れません。

どうして解決だけに注目するの?

問題を起こした本人がつらくならないからです。

自傷をした人は、自傷についてたずねられたら、その時の状況やつらい気持ちを思いだしてしまいます。

くるしい出来事を追体験してしまうんですね。

なので、こちらからはあえて問題について触れない。質問も、しない。

どうしたいのか?どうなったら良いのか?だけに注目して会話をすすめていきましょう。

 

 

さて、きもちの荒れている人に「どうなりたいの?」と聞くと必ずと言っていいほどこう返ってきます。

「どうにもなりたくない。希望なんてない。」

終了。

でもどんな人でも問題を解決したこと一度くらいはありますよね。

問題を起こしたひとに対して。いままで何かを解決できた体験を、掘り起こしてもらってみてください。

いままで問題行動を踏みとどまれたのはどんなときだったか?

どんなときに状態がわるくならなかったか?

問題を起こさず済んだときは、どんな気持ちだったか?などです。

話の内容から「やってしまった・・・」を取り除いて「あのときはできた」を増やしていくと

問題を起こした人の落ちこみも減っていきますよ。

 

中には「いままで解決できたことなんて無くて、いつも死にたい気持ちだった。」という強者も居ますね。

そのようなひとには、解決できたのハードルをさげていきます。

死にたいほどつらいのに、なんとか生きてきてくれたんだねえ。そこまで乗り越えてこられたのはどうして?という感じです。

 

そうやって解決だけに焦点を当てる接しかたをしていると、まわりの人もいくらかラクになります。

原因に注目すると、

どうしてこうなってしまったんだろう・・と不安がつのりますが

解決に注目すると

上の例では 生きてるだけでOK。生きてるだけで解決できた。なので不安になるよりもラクです。

そして解決だけを話題にしていれば

ちゃんと接していながら重たい話を聞かずに済むので、あなたの心が守られます。

ずっと重たい話を聞きつづけていたらパンクしてしまいますから

時々はあなたの負担も減らしてあげてくださいね。

 

ただ、この考えかたは虐待の体験にくるしむ人には向いていません。

虐待は、過去の体験そのものを癒やす必要があるからです。

まわりに敵意をむけていたり拒絶のバリアを張っているひとなどには向いています。

 

 

 

 

もし原因に注目してもどうにもならない時は

解決だけに焦点をあててみてください。

お相手にもあなた自身にも負担をかけずに、建設的なお話しができるかもしれません。

 

 

スポンサーリンク

 - 境界性人格障害への接し方