こころタウン

境界性パーソナリティ障害の人と付き合うかたの心をケアするブログです。ぜひコメント欄見ていって下さいね。

境界性パーソナリティー障害は寛解する

   

 
ジンです。

 
今日のテーマは「寛解」。

これは病気の症状が一時的に軽くなったり、消えたりしている状態のことです。

再発が目立つ病気や、治らない病気をもった人の多くは、この状態をめざしていることと思います。

「この病気は治らないのか・・」と思うと落ち込んでしまいますが

「寛解をめざせばいいんだ」と思えれば、少し気がラクになりますね。

今回は、境界性パーソナリティー障害の症状を寛解に向けていくために

まわりの人が私生活でできることについて考えていきましょう。

 

 

 

・いつでもこちらは平常運転

境界性パーソナリティー障害は、感情が波立つことで多くの症状があらわれます。

感情が波立つ原因のほとんどは、人間関係ですね。

境界性のかたもたくさんの人と関わるでしょうから、すべての波を避けることはできませんが

より多く関わりをもつ家族や恋人が接しかたを気をつけるだけで落ち着いた状態をつくれると考えています。

 

 

接しかたの基本は"いつでも平常運転"。

境界性のかたが怒ったり、泣いたり、自傷をしたりしても

できるだけ平然と対処してください。

私達が感情的になると、境界性のかたはそれを上回る感情の波に襲われます。

私達が落ちついていることは、境界性のかたの気持ちの落ち着きにつながります。

自分は、お寺のお坊さんになりきったような、、、そんなつもりで平常運転を心がけていました。

修行のような感じですかね(^^;)

落ちついた態度を一貫して取っていれば、相手もすこしずつ落ち着いてきます。

 

 

 

 
・引き金になるものをとりのぞく

こちらの記事でもお話ししましたが

境界性パーソナリティー障害の行動と刺激を取り除く方法

 

境界性のかたが過剰に反応してしまう引き金を遠ざける。

それはひどく悲しんだり、怒ったり、問題行動を起こしてしまう症状を緩和させてくれると実感しています。

人によって反応するものはさまざまです。

・特定の話題
・人
・場所

これに触れると荒れてしまう確率が高い、と思うものは遠ざけてみてください。

イメージ的には地雷除去という感じですかね。

個人的に、効果は高いと考えています。

 

 

 

 
・イネーブラーを遠ざける

イネーブラーとは、依存を手助けしてしまう人のことです。

 

境界性パーソナリティー障害のかたは

・薬物
・アルコール
・買い物
・借金
・不特定多数の異性と関係をもつ
・ネットに自分の情報を際限なく書き込む

など、自分を損なう行為に依存しやすいと言われています。

依存自体はまわりの人のちからでは治すのは難しいので病院に行くのがいちばんですが

今回お伝えしたいのは、その依存を手助けしてしまう人について。

依存にハマる人のちかくには、

高い確率でイネーブラーが居ます。

 

 

私が知る中に、

自分を損なう行為を依存症のようにくりかえしているかたが居ました。

リストカットをしたり、くすりを大量に飲んだり、借金したり、他人のお金を使って買い物をしていたり。

どうして自分の身を削るようなことをくり返してしまうのだろう?本人も困っていて、本当はやめたいと思っているのに。

 

その人のすぐ近くには、イネーブラーの恋人が居ました。

 

リストカットをしたら真夜中でも駆けつけてあげるし、心が落ち着くようにお金を与えてあげる。大量に飲んで薬がたりなくなったら、心配して病院に連れて行ってあげる。別れたいと言われても、ゆるしてあげる。

一見、病気の恋人に献身的に尽くしてあげているように見えるのですが

その恋人によって繰り返しのサイクルがつくられてしまっているんですね。

 

・駆けつけてくれるから、自傷する

・お金を与えてくれるから、もっともっと・・と限度がわからなくなる

・薬を飲み干したら病院に連れて行ってくれるから、また大量に飲んでしまう

・許してくれるから、さらなる問題を起こす

・別れたいと騒いでも許してもらって別れなくて済むから、その時の安心感をもういちど体験したくて別れたいとくり返す。

 

という感じです。

このような関係は当事者だと気づきにくいでしょう。

自分はどうだろう?と事態を客観的に見つめてみることも、時には必要なのだなと思っています。

ちなみにこのケースのかたは、恋人と別れた途端に自傷行為と薬の飲みすぎがおさまりました。

買い物したい気持ちはまだおさまっていないようですが、ご本人も前よりだいぶラクなんじゃないでしょうか。

依存や問題行動のちかくにはイネーブラーが居るかもしれない。

ぜひ記憶の隅に置いておいてください。

 

 

 

 

・年齢とホルモン

歳を重ねれば重ねるほど症状はおちついていくと言われていますね。

とくに男性のほうが、自傷や自死をくわだてるなどの問題行動はおさまりやすいと考えています。

不安を煽るホルモンの影響をあまりうけませんからね。

女性については、気分をおちこませたり不安にさせたりするエストロゲンの影響を強く受けてしまうので

ひと月の間にも気持ちの波が起こりやすいと思います。

体調の周期はわかってあげていたほうが良いですね。

 

 

 

 

・寛解のお手本を見せる

境界性のかたと接していると、つぎに何が起こるのか?とどうしても肩に力が入ってしまいますね。

問題ばかり起こっていると、いつでも動けるようにと臨戦態勢で構えてしまいますよね。苦笑

ぜひ時々は肩の力をぬいて、ご自身をリラックスさせてあげてください。

落ちついた状態のお手本を見せてあげてください。

境界性のかたはあなたの行動と言葉に影響を受けますが

信ぴょう性が高く映るのは、断然行動のほうです。

落ちついていてもいいのよと、教えてあげてください。

 

 

 

 

いろいろ上げましたが、これらは自分が、実際に効果を感じたことです。

・事件が起こっても平常運転で対応して、罪悪感も報酬もあたえない

・気持ちが荒れる引き金をとりのぞいた

・イネーブラーであろう人を遠ざける

・つねに落ちついた状態のお手本をこころがけて

・月日が経って

 

これらすべてをやっていたら、私の知る ひどく荒れていた人の状態がかなり良くなったのです。

 

実際に

・自傷行為がおさまりました

・自死を企図することがなくなりました

・悪い気持ちの波が以前より少なくなりました

・薬がなくても生活できるようになりました

約6ヶ月のあいだ、そのように落ちついています。

たったの6ヶ月かもしれませんが、その重みは計り知れません。

 

 

上記のかたは、先日、ある人との言い合いがあったようなのですが

いつもより気持ちが落ち込まずに済んでいて

その日のうちに「話を聞いてくれてありがとう」という感謝のことばを話されていました。

以前ならそこで「死んでしまいたい」と追い詰められていたところが「ありがとう」に変わったのです。

感謝の言葉がでてくるようになったら、もうあまり心配ないなと感じています。

 

 

 

いまあなたの接しているかたが

自傷していても、自死を考えてしまっていても、ひどく荒れていても、薬を飲んでいても

寛解は、ありえます。

 


大丈夫です。

 

 

 

ずっと同じ状態で居続けることはありません。

ずっと苦しみ続けることはないと

知っておいてください。

 

 

 

 

 

※事例に上げたかたについて。特定されませんよう、性別や年齢をぼかして書いています。


※返信を待っていただいているかた、もうすこしだけ、お待ちいただければ幸いです。

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 - 境界性人格障害への接し方