こころタウン

境界性パーソナリティ障害の人と付き合うかたの心をケアするブログです。ぜひコメント欄見ていって下さいね。

境界性パーソナリティ障害の不安にまつわる不可解な言動

   

 

ジンです。

 

境界性パーソナリティ障害の方との付き合いで

多くの人が悩みを抱える「不可解な言動」。

突然の拒絶や自暴自棄な行為の繰り返しについて

一緒に考えていきましょう。

 

 

境界性の人との関わりの中で

今日はお互いとても楽しく過ごせていたのに

帰った直後に突然「さようなら」というメールが届いたりして

愕然とした経験のある人も多いと思います。

 

「なぜ急に別れを告げるのか?」と尋ねると

「今別れておかないと、いつか嫌われて、見捨てられるから。」と相手は答えます。

嫌いになるわけない。見捨てるわけない。

今日だってあんなに楽しく過ごしていたのだから。

と私達は急な拒絶に驚いてしまいますよね。

相手の抱えている孤独や不安に気づき、こちらは「大丈夫だよ」と説得します。

その言葉に相手も安心し、ひとまずは落ち着きます。

 

 

しかし、その後言動がエスカレートしていく事も多いです。

「リストカットしてしまった。」

「死にそう。今すぐ来て欲しい。」

想像もつかない行為に、緊張と不安なきもちが押し寄せます。

安心してくれたと思ったのになぜ?

どうしてそこまで自分を傷つけるの?

生死をちらつかせた「今すぐ来て」という言葉にやむなく動いた経験を持つ人も少なくないと思います。

 

 

不可解な言動のパターンをまとめると

「さようなら。いつか見捨てられてしまうから。」(不安)

↓↓↓

見捨てないというこちらの反応に「安心」

↓↓↓

「リストカットしてしまった。いますぐ来て」(不安)

↓↓↓

駆けつけててくれたら「安心」
そうです。彼ら彼女らは不安と安心の間をずっと行き来しているのです。

周りの人々はその繰り返しに振り回されてしまうことが多いんですよね。

もしあなたがこのパターンに陥って苦しんでいるのなら

どうすればいいのでしょうか?

 

それは繰り返されている「パターンを崩すこと」です。

今まで同じ循環の中をグルグル回って苦しんでいたのなら、

こちら側がパターンを変えないかぎり現状がずっと続いていきます。

 

それではどこをどう変えていけば良いのか?考えていきましょう。

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①動き方を変える

不安→安心→不安→安心のサイクルの中で

あなたが取る行動を変えていきましょう。

まずは

「ここまでは出来るがこれ以上は出来ない」というルールを設けることをおすすめしています。

 

 

例えば「昼間は話しを聴きに行けるけど夜中は行かない」という風にですね。

あなたが体や心を壊してまで動く必要などどこにもないのです。

私の主張なんて通じる相手ではありません、という意見も聞こえてきそうですが

これは出来るけどそれは出来ない、とあなたが主張しないかぎり

今のパターンを続けることになります。

 

 

 

 

②言葉を変えること

きちんと言葉で主張しましょう。

どこにも我慢する必要なんてないんですよ。

極力相手にストレスを与えずに済む、自分主体の言葉をつかうと良いですね。

主語が自分(I)の言葉です。

「わたしはこう感じる」という自分主体の言葉です。

 

 

「(私は)リストカットを見たら、悲しい」

「(私は)夜中に駆けつけるのが、つらい」

「(私は)あなたと一緒にいたいので見捨てない」

 

といったメッセージを、穏やかに話せる時に、根気強く何度も伝えてみてください。

すべてのメッセージに「私は私とあなたを大事に思っている」という思いを込めてみてください。

あなたにもこうしたい、ああしたい、こう感じる、という意思があることを

どうぞ心に押し込めず主張して下さい。

主張に対して「それは私のことをないがしろにしているの!?」と逆上されることもあるかもしれません。

そこで主張し続けるのか、黙るのかはもちろんあなたが決めることです。

ただ、

どちらかが自分の気持ちを押し殺して相手の要求を飲み続ける関係を

あなたは望んでいるのか。

ご自身に問いかけてみてくださいね。

 

 

③心の在り方を変えること

ここが一番大事なところです。

いくら「やり方」(対処療法)を学んでも、それは痛みを一時的に和らげるだけの

”一時しのぎ” になることが多いので

本質的なこちら側の「あり方」を見直すこと(原因療法)が大事だと考えます。

いくら対処法を学んでも、

不安→こちらが対処して安心→不安→こちらが対処して安心 のループはおそらく続きます。

なので「こちらの在り方」という土台をしっかり作った上で「やり方」を変えていくのが理想ですね。

 

 

こちら側の「在り方」を変えるとはどういうことか?

何度も何度も書いているのでもういいよ!と言われてしまいそうですが

 

あなたが自分を大事にすることです。

 

 

 

逆に自分を大事にするにあたって、してはいけない事は

「あなたが自分を粗末に扱うこと」です。

心は疲れきっていないか?

身体は悲鳴を上げていないか?

自分で自分を大事にできているか、もういちど心と身体の声を聞いてみてください。

 

 

あなたが身を削って相手を助けたとして、それは愛情と言えるでしょうか?

一方が無理をするその関係に、あなたはいつまで耐えていけるでしょうか?

不安と安心のループに振り回され続ける先にどんな未来が見えるでしょうか?

 

 

自分を大事にできるようになればあなたが取る行動は必ず変わってきます。

あなたが変われば状況も変わります。

不安と安心のループの外に出ていくことも不可能では有りません。

 

 

どうか自分を大事にして下さい。

あなたが相手を大事に思う気持ちをもつように、

あなたの事を大事に思う人達もいるんですよ。

もしかしたら、今は近くには誰も見えないかもしれないけれど

必ず居ます。

 

 
目の前にいる境界性のお相手も、

あなたが傷つくことなど本当は望んでいないはずです。

 

 
苦しいところに居る人が

少しずつでも動き方を変えて、自分を大事にして、

不可解な行動のループから抜け出して欲しいと思っています。

 

 

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