こころタウン

境界性パーソナリティ障害の人と付き合うかたの心をケアするブログです。ぜひコメント欄見ていって下さいね。

境界性人格障害の原因は解決できるものなのか

   

 

ジンです。

今回は、勉強回です(^^

境界性人格障害の原因について追ってみましょう。

境界性人格障害の人はなぜ感情的になりやすいのか?

なぜ落ち込みやすいのか?

なぜ依存体質になりやすいのか?

なぜ欲求不満を感じやすいのか?

どうして発症するのか?

一緒に考えていきましょう。

 

 

 

境界性人格障害に関してはさまざまな原因論が挙げられています。

有名なものを見ていきましょう。

 

・カーンバーグ説 

境界性人格障害の原因を「環境」によるものと「気質」によるものだと研究した人の仮説です。

赤ちゃんの頃から、静かでよく寝る子、ちょっとした生活音に神経質になる子、かんしゃくを起こしやすい子、と

生まれもっている気質は人それぞれです。

カーンバーグは中でも攻撃性が高い・衝動性がある、といった生まれつきの気質が

境界性人格障害の発症に結び付くと考えました。

境界性人格障害の方々は性格のタイプが似ているように思いますから、

たしかに元々気質がある方が病気になりやすいのかも知れません。

 

 

・マスターソン説

有名な精神療法の実践者マスターソンは

「母親との関係に原因がある」と説きました。

母親の感情が不安定だと、子供は母親に「見捨てられるのではないか?」と不安を抱きながら育ってしまいます。

その結果、「見捨てられ不安」で周りの人を振り回してしまう境界性人格障害が

形となって現れるのだといいます。

 

 

 

・遺伝の要因

遺伝も大きく関わっていると研究されています。

境界性人格障害になりやすい因子を持った家庭に生まれると、発病の可能性が上がるといいます。

 

 

 

・セロトニン説

境界性人格障害の人は、脳の「セロトニン」という物質の働きが低いことが分かっています。

セロトニンの活動が鈍くなると、暴力的になったりイライラが募るのです。

聞いたことのある人も多いと思いますが、

セロトニンは人の精神面に大きな影響を与えるもので

おもに「心の安定」に関係していると言われていますね。

別名「幸せホルモン」とも呼ばれているんです。

このセロトニンが減ると、

・怒りっぽくなる
・落ち込みやすい
・ストレスがたまりやすい
・不眠になる
・依存症になりやすい
・うつや統合失調症になりやすくなる

といった症状が現れます。

そして実は

このセロトニンは境界性人格障害の人だけじゃなく

現代人は皆、不足しているものなのです(^^;

セロトニンは、規則正しい生活リズムで整うもので

デスクワークが増えたりスマホを長時間見たり、昼と夜が曖昧になったりといった日常に身を置く私達は

とてもセロトニン不足に陥りやすい生活をしているんです。

セロトニンを増やして心を安定させるには

・朝起きて夜寝る。規則正しい生活
・1日1回は陽の光にあたる
・腸内環境をととのえる(腸はセロトニンづくりをするから)
・軽い運動

などが大切だと言われています。

どれか一つでも心がけてみるとよいですね。自然と気持ちが穏やかになるかもしれません。

 

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さて、

境界性人格障害にはさまざまな要因があることがわかりました。

・生まれつきの気質
・母親との関係
・遺伝
・セロトニン不足

こう見ると周りの人にできることは

セロトニン不足の解消を手伝ってあげるくらいですかね。

規則正しい生活や食事、1日1回陽に当たる場所で軽く歩いたり運動させてあげましょう。

そして、自分が伝えたい事はここからです。

人の痛みがわかる優しい人ほど

「症状の原因を取り除いてあげたい」

「何とかして救ってあげたい」

と思う傾向にありますが

でも原因を何とかするのは無理なことです。

だって、遺伝も気質も母との関係もこちらにはどうしようもないですからね。

境界性人格障害のかたと接していると、

どうしても「問題を解決してあげなくては」と相手の事ばかり考えてしまいがちですが

自分は、「あなたには誰よりあなた自身の事を考えてほしい」と思ってます。

ストレートに言うと、

相手の事ばかり考えて

気づいたらあなたが病気になっていた、なんてことが無いよう望んでいるのです。

境界性の人と接していて鬱っぽくなってしまった人

周りの人との関係が希薄になって孤立してしまった人

困っているからお金を貸してと言われて自分の財力を超えて借金してしまった人

体の疲れに気づかず「すぐに来て」という要求に答えていたら事故に遭ってしまった人

そのようなケースを自分は見てきました。

そして思ったんです。

相手のことを考えるのは素晴らしいこと。

でもそれはまず、自分を大事に出来てからで良いのだと。

 

相手の問題を背負って自分をおろそかにしていると

多くの場合共倒れします。

二人で体調が悪い。

二人で精神不安定。

二人で財政難。

二人で孤立(よくないパターンの依存関係)。

そんなの本当は望んでいないですよね。

 

 

今回上げたように、

原因は遺伝、生い立ちなど他人にはどうすることも出来ないものがほとんどです。

そして、まわりが協力してあげられる原因解決は

早寝早起きとお日様の下での軽い運動くらい。

シンプルに考えてみればとても、簡単じゃないですか?

これからは相手の原因解決に悩む時間を

自分の心や体調をととのえる方向に使ってみてくださいね。

それは自分のためだけでなく、長い目で見れば相手のためにもなりますよ。

 

 

そしてこれは境界性の人と別れたことで苦しんでいる方にも言えます。

まわりの人には原因自体をどうにかしてあげることは出来ないんです。

病気の原因とどう向き合うかは病気のご本人次第。

だから、あなたの力が足りなかった、努力が足りなかった、病気を解決できなかったとそんなに自分を責めないで欲しい。

あなたは充分頑張ったのです。

 

 

どうにも出来ない原因を、あなたが解決してあげる必要は無いんです。

原因は「そうなんだ。」と知ってあげればそれで良い。

ぜひこれからは相手のことだけでなく、

疲れていないか?

無理をしていないか?

病気っぽくなってきていないか?

ご自身のこともよく見つめてあげてくださいね。

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 - 境界性人格障害の特徴