こころタウン

境界性パーソナリティ障害の人と付き合うかたの心をケアするブログです。ぜひコメント欄見ていって下さいね。

相手の要求を断り立場を逆転させる禁断の方法

   

ジンです。

 

あなたは相手の顔色をうかがって自分の発言を抑えたり

相手の機嫌に合わせて行動してしまう事はありますか?

境界性人格障害の人と接していると、

私の行動や気分は相手によって左右される。と感じてしまうことも多いでしょう。

今回は、相手の要求を断り

立場を逆転させる方法についてお話ししていきます。

 

 

境界性人格障害の方と接していると、お願い(要求)をされる事がよくありますね。

私のことを24時間いつでも考えていてほしい、程度のものでしたら可愛いものですが

・夜中にすぐ来てほしい

・仕事を休んででもそばにいて欲しい

・いつでも電話に出てほしい

・(恋人の場合)ほかの異性と一切かかわらないで欲しい

などと言われたことのある人も多いのではないでしょうか。

最初は

「相手も不安なのだろう」

「ちょっとぐらい聞いてあげてもいいかな」という気になるものです。

しかし、ちょっとしたお願いを聞き続けているうちに、気付けば要求は重いものに。

ひどい場合は「今から死ぬから助けてほしい。」

といった、断るにも受け入れるにも苦痛を伴う要求を提示してくることがあります。

さらに相手はそれが満たされないと感情を爆発させるようになりますから、

あなたは爆発回避のためにお願いを聞き続ける役になり

やがて疲れ果てていってしまいます。

いつしか相手の顔色をうかがって、相手に怯えながら毎日を過ごすことになってしまうのです。

ここまでくると

自分は相手に行動も感情もコントロールされているのでは?と思ってしまいますよね。

 

境界性人格障害の方と接していると、極端な言い方ですが

この「要求によって支配する側される側」という関係がとても成り立ちやすいものなのです。

誰かの役に立ちたい精神を持っている優しい人と

甘え上手な境界性人格障害の人は

最初の頃はお互いのニーズがぴったりあうものなのですね。

そしてこれは、優しい人ほど陥りやすいパターンです。

相手のことを気遣える優しさをもつ人ほど、この関係に悩む事が多いのです。

それほど人に奉仕しようというサービス精神がない人は

最初のお願いで断ってしまいますからね。

もしこの関係に悩んでいるとしたら、あなたはとても優しい人です。

優しさは役に立たない、優しいと損をする。なんて思うこともあるかもしれませんが

優しさは人を惹きつけますし、優しいからって損をするわけではありません。

そして優しさは素質のある人にしか身につかないものだと思います。

自分はあんまり優しくないので、(^^;ちょっとした行動に優しさが感じられる人は羨ましいですよ。

ぜひあなたの持つ優しい性格に自信をもってくださいね。

 

さて、このコントロール関係に陥らないためにはどうすればいいのか。

もし陥っている場合はどうしたらいいのか。

いつも言っているので「聞き飽きたよ!」と思われてしまいそうですが(^^;

何度でも言います。

相手を変えることはできません。

あなたが変わりましょう。

ただ今日からきっぱり要求を断って下さい、とは言いません。

一段一段、階段を登るようにゆっくり言動を変えていくのです。

今が辛いからといって、人はそう簡単に自分の行動を変えることはできません。

人の脳は現状維持を再優先させるようにできているので

変わろうとすると無意識にそれを阻止する力も働くんです。

でも、一段一段変化をつけるくらいなら簡単にできるんですよね。

いきなりビルの10階まで歩いて登ってくださいと言われても大抵の人は無理だと感じますが

せめて3階くらいまでなら登れるな、とは思えるものです。

少しずつ変化をつけていきましょう。

一段一段だとしても、一ヶ月後には大きな状況の変化につながります。

 

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それでは具体的に「断る力」を付ける方法です。

最後まで身につけられれば相手との立場も逆転します。

 

①まずは断る、したくない、という「意思だけは伝える段階」です。

要求を受け入れても「本当はそれをしたくなかった」と意思はしっかり伝えるのです。

たとえば夜中にすぐに来てほしいという要求に対して。

来たけど「仕事で疲れているので来るのはとても大変だった」と意思表示する。

断りたい意思はハッキリ伝える。まずはそこから始めましょう。

↓↓↓

②次は「したくない」を行動に移し、一緒に代替案を上げる段階です。

「これは出来ないけど、それならできるよ」というように

「断り」とそれに対しての「代わりの案」を一緒に伝えましょう。

この断り方は、断ったにも関わらず、相手が突き放されたように感じにくいのでおすすめです。

「夜中には行けないけど、○時頃なら行けます」という言い方ですね。

代替案はケースバイケースで調整しましょう。慣れてきたらどんどんあなたの負担を減らしてくださいね。

この断り方ができればほとんどの人間関係はうまくいきますよ。

↓↓↓

③最後に要求を自分のものにすり替えていく段階です。

これは結構強力ですよ。ある意味禁断の方法と言ってもいいかもしれません。

「断り」と一緒に「自分の要求を伝える」のです。

たとえば「夜中には駆け付けられない。でも明日行きたい所があるから会って連れて行って」という感じですね。

相手の要求を断り、かつ、自分の要求にすり替えるのです。

相手の要求を断って自分の要求を伝える?それはおかしくないか?と思うかもしれません。

はい。そうなんです。

あえて理不尽な答えを返すというのがポイントです。

理不尽な答えを返すことで相手は少なからず動揺する状態になります。

ましてやいつもお願いを聞いてくれているあなたからそんな返事が来たら

いつもと違うパターンに躊躇してしまいますよね。

そこで「(相手の要求)夜中に無理をして会う」ことを「(自分の要求)無理せず翌日楽しく過ごす」にひっくり返すのです。

ここは、無理矢理に自分の要求を訴えて大丈夫です。

どちらを選んでも会いたいという目的は変わらないので相手も受け入れやすいですし

どうせならあなたが欲する良い選択肢にもっていきたいですよね。

慣れてきたら「夜中には駆け付けられない。でも、今月中にディズニーランドに行きたいから考えて」

ぐらいに超理不尽になっても良いのですよ。

この段階に来たらどんどんあなたの「お願い」を伝えて下さい。

そして、少しでもそれを受け入れてもらえたら飛び上がって喜んでください。

境界性人格障害のかたはこちらの要求に対して最初は反発するかもしれませんが

人間には誰しも「人の役に立ちたい」という欲求があります。

これはかなり強力な欲求で、「誰からも必要とされていない」と思ったことで、

自ら命を断ってしまう人もいるくらいなのです。

人の役に立てた、という体験はその人の自信、自尊心を育てます。

相手に迷惑をかけるどころか、それがいつの間にか喜びにすり替わるのです。

自分が要求していたはずなのにいつのまにか相手の要求を叶えてあげていた、という状態にもっていけたらベストです。

もちろんあなたが提示する要求はお互いにとってプラスになるものを選択してくださいね。

境界性のかたが少しずつでも相手のお願いを叶えてあげたという成功体験を積むことで、

二人の関係はバランスの取れたものになっていくことでしょう。

 

 

整理するとこうですね。

・したくないと言う意思だけは伝える段階

↓↓↓

・断り、それに対しての代わりの案を伝える段階

↓↓↓

・断り、自分の欲求を伝える段階

 

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ちなみに、前のほうで例に上げた「今から死ぬから来てほしい」という要求に対しては

受け入れても断っても、どちらにしても後味が悪いものです。

大抵の人は命が懸かっていると思えば聞き入れてしまいますね。

それが普通です。

でも、何度も何度も生死をちらつかせ、そのたびにあなたが振り回されるとしたら

それはあなたの心が殺されかけているような状態ではないですか?

あなたが応じることで相手は救われるかもしれませんが、

あなたは心が引き裂かれるような辛さを感じていませんか?

自分は、あなたが心を殺してまでして、他の人を救ってほしくはありません。

「今から死ぬから来てほしい」の時は

最初は勇気がいるかもしれませんが

あなたが出動するのではなく、警察や救急車を呼んであげてください。

警察や救急車のほうが

あなたよりも早く駆けつけることができ、

さらに、あなたよりも人命を救うための確かなスキルを持っています。

命が懸かっている時には、一般人が動くよりもプロに動いてもらったほうが確実に相手を救えると思いませんか。

あなたに死にたいと訴える→→→警察や救急車が来る のパターンを一度でも作るのは

双方にとって良いことですよ。

そのパターンを作ってしまえばあなたは迂闊に「死ぬから」と呼びだされにくくなります。

このことは、以前に書いた「あなたは頑張らなくていいんです」にもつながりますね。

そして、これはいますぐ出来ることですが

「死ぬと言われたら、あなたの命を救うために迷わず救急車を呼びます。」

と、あらかじめ事前に伝えておくんです。

あくまでも「あなたのために」というところが重要ですね。

それを言っておくだけでも生死をちらつかせた呼び出しの抑止力となりますよ。

 

 

お願いを聞いてあげるのは素晴らしいことです。

でも、それはあなたが身体や心を削ってまですることでは無いんですよね。

あなたが無理をしてお願いを聞いたら、その瞬間は丸く収まるかもしれませんが

長い目で見るとそれは「相手の負い目」になるんです。

 

相手の負い目を増やさないためにも無理はもう辞めていいんです(^^

もちろんあなたが難なくこなせる聞いてあげたいお願いは、存分に叶えてあげてくださいね。

 

 

 

誰かに貢献するのは

あなたが幸せになってからでいいんです。

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 - 境界性人格障害への接し方