こころタウン

境界性パーソナリティ障害の人と付き合うかたの心をケアするブログです。ぜひコメント欄見ていって下さいね。

ショックから立ち直るプロセス

   

 

ジンです。

今回は、喪失・ショックな出来事から立ち直るまでのプロセスについて、お話ししていきます。

 

 

突然仕事を失ったとき。

事故に遭ってしまったとき。

病気が発覚したとき。

浮気や不倫が発覚したとき。

恋人に別れを告げられたとき。

 

ショックな出来事があった時、本能的に、人は自分の心を守ろうとします。

「これが今、本当に起こっていることなのかわからない」という感覚を起こして

あまりにつらい現実からダメージを受けないように

感覚を麻痺させて自分を守ろうとするのですね。

現実なのか?夢なのか?ふわふわと地に足がつかず浮いているような感覚。

あなたも1度は、体験したことがあるんじゃないでしょうか。

実はこの感覚、とても大切なものなんです。

事実を直視したら、体も心も危険な状態になってしまう。

この感覚は、受け止め難いものからあなたを守るための、大事なクッションの役割を持っているのです。

 

 

それから少し時間が立つと、

私達はそのショックを現実のこととして受け入れ始めます。

ここで、様々な恐れの感情が私達を襲います。

悲しい、つらい、不安、寂しい、怖い。

「これからどうやって生計を立てていこうか」

「病気でどうなってしまうのだろうか」

「離婚なんてことにならないだろうか」

「恋人ともう会えなくなってしまうのだろうか」

現実を受け入れたもののあまりのショックで混乱し

私達はここで、パニック状態となります。

この段階では、正常な(ベストな)判断ができないことがほとんどで

後から考えたら「なぜあんなことをしてしまったのだろう・・」というような突飛な行動をとってしまうことも多いのです。

この状態の時は、できるだけ何もしないほうが良いと言われていますが

混乱している時に落ち着けと言われても、落ち着いていられるわけがないですよね。

なのでこの時は周りの人に話を聞いてもらったり、

人でなくても、ペットなどと一緒に過ごしたり。

一人にならず周りの助けを借りると良いのです。

混乱している時こそ、周りの力を借りましょう。

 
混乱の状態が終わると、

怒りのプロセスがやってきます。

人によっては数週間から数カ月の混乱状態がつづきますが

その次に来るのが

「自分の何がいけなかったんだ」

「どうしてこんな目に遭うんだ」

という沸々と湧く怒りの感情です。

怒りは明確な矛先がいればその人に向きますし

天災などで被害を被ってしまった場合は神様や社会への怒りとなります。

また、自分を攻撃してしまう人も居ます。

いつもお話しているように、

怒りの裏には不安がセットで付いています。

不安だし、悲しいし、怖いから、怒るのです。

なんだか怒りの感情が湧いてきた。そうしたら存分に怒っていいと思います。

怒りは悪いもの、と押し込めず自分の気持ちを認めてあげてください。

怒りは、あなたの心が大きな山を乗り越えようと頑張っている証拠です。

そしてもしも怒りが自分に向いてしまったら。

「自分に落ち度があったんじゃないか?」

「自分のせいでこんなことになったのでは?」

と罪悪感を抱いてしまったら。

その思いもそのまま感じてあげてください。

「やっぱり自分が悪かった」と肯定しなくていいし

「あなたは悪くないよ」と否定しなくてもいいんです。

肯定も否定もしなくていい。

答えは出さなくていい。答えに○も☓もないんです。

ただ「私はこう思っているんだなあ・・」とあなたの気持ちをそのまま感じてあげてくださいね。

 

 

 

怒りが治まってくると私達の感情はどのようなところに行き着くのでしょう。

「抑うつ」です。

怒りが引くと、落ち込んだり、やる気がでなくなったり、

感情が乏しくなったり、動くのも億劫になったり、人と関わりを避けてしまったりします。

仕事をする気になれない

誰かと恋愛する気になれない

病気に立ち向かおうと思えない

外出することが減る

この頃は、パニックや怒りの頃から比べれば

「普通に」「気丈に」見えることも多いのですが

心にはしっかり傷が見える状態です。

気持ちの波が落ち着いたからといって、無理に頑張ろうとしたり

新しいことを始めようとしたり

周りの人に配慮して気丈に振る舞わなくてもいいんです。

まだ、抱えているものがある。

それを踏まえて、自分を労りながら毎日を過ごしましょう。

「60%の力を出せばOK」というように。

 

 

 

 

抑うつのプロセスを抜けると、reborn、再誕生の時期に入ります。

誰かと話しながら笑えている自分に、ふと気づく。

といった小さなことから、再誕生のフェーズは始まります。

心がショックな出来事をしっかり受け止められると

高い視点から以前の自分を見下ろすことができるようになります。

「失恋は大変だったけど、おかげで優しくなれた」

「病気がないことの有り難みがわかった」

「ひどい失敗をしたけど、経験を活かして新しい仕事をしたい」

と前向きな気持ちが芽生えてきます。

辛くて苦しい出来事から学び、自分の成長につなげていけるようになるのです。

ここまで来ると、全く新しい自分になったように感じる人も多く

見た目も心も晴れ晴れしています。

この再誕生こそ、喪失・ショックから立ち直るプロセスの最終地点。

ここまで来るのに人によっては数年、数十年かかることもありますが

生きてさえ居れば誰でもここに、到達できます。

 

 

 

さて、今回はショックから立ち直るプロセスについてでしたが

こんなこと考えてていいのかな?

なんでこんな気持ちになるんだろう?

自分がわからない。

どうして色んな感情が襲ってくる?

どうしたら抜け出せる?

わけも分からず苦しい

そんな人の参考にしてもらえればと思ってお話ししました。

このプロセスは、必ず順番通り綺麗に当てはまるよ、というわけではありませんが

ぜひ1つの目安にしてみてください。

そして怒りや抑うつは、物事をうけとめて次につなげていくのに必要な感情だと知っておいてください。

怒ってもいいし落ち込んでもいい。

パニックになったって、罪悪感に苛まれたって、それは普通のことなんです。

自暴自棄になったことがある人は、自暴自棄になる人の追い込まれるような気持ちがわかるし

鬱を経験した人は、鬱になる人の苦しさがわかります。

だからどんなことだって、無駄にはならないし

悪い面ばかりではないんですね。

長い目でかまえて、ゆっくり気持ちに向き合ってあげてくださいね。

 
死生学の専門家・デーケン氏著書「悲観のプロセス」を参考にさせて頂きました。

 

 

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