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境界性人格障害と自傷行為の心理

   

 

 

ジンです。

iPhoneの指紋認証で、急にロック解除できなくなりました。

突然指紋が変わることって有るんですかね・・・(^^;)

 

 
今回は自傷行為についてのお話です。

自傷と言うと自身の体を傷つけることをイメージしやすいですが、

それだけではなく心を傷つけることも自傷です。

好きでもない異性と関係を持ったり

交際相手をころころと変えたり

酷く傷つく恋人の行動を許したり

暴力を振るうDV夫の元へ戻る妻の行動や

自分の生活、健康を損なってまで相手のために借金してしまうなど

これらはすべて、程度の差はあれ自傷行為として捉えられます。

自傷は境界性の人である、ないに関わらず起こりえます。悩んでいる人はとても多いと思います。

 

ふつうに考えてみれば

最初から自傷行為したい人なんて居ないんですよね。

そんなの当たり前ですよね。

誰だって、わざわざ自分で自分を傷つけたくなんかないんです。

ではなぜ敢えてそのような行動をとってしまうのか?

一緒に考えていきましょう。

 

 

 

自傷行為に及ぶ人は、それまでに4つの段階を踏んでいます。

自分はこれを階段を登っていくことのように考えています。

ある日突然、自傷が起こるわけでなく

かならず一段一段、その行為に至るまで、その人は階段を登って行っているのです。

 

①1段目:認められたい

人は誰しも「いい人」「優れた人」で居たいですよね。

周りの人から優れていると思われたら嬉しいですし、ほめてもらうと満たされた気持ちになります。

子供の頃からテスト勉強や学芸会の練習を頑張ったり

運動会でより優れた結果を出すために、一ヶ月も前からトレーニングをする子も居ます。

大人になると、仕事でより良い成績を出したいし

自分の行いを恋人に喜んでもらえたら嬉しい。

「認められたいという気持ち」。

これは誰もが持っているものです。これがあるから人は頑張れるし行動できる。

自分もほめられるのは大好きですよ。

少し褒められただけで数日ニヤニヤ過ごせるほどです。笑

ただこの欲求こそ自傷の階段のはじめにあたるものなのです。

驚いたことに、誰しも自傷行為の可能性としての「入り口」には立っているんですね。

 

 

②2段目:注目を浴びたい

1段目の「褒められたい、認められたい。」という思いがなかなか叶わないと、

つぎは「褒められなくても何でもいいから注目されたい」

という段階に進みます。

2段目になると、別に良いことでなくても注目されればOKという考えにシフトしていきます。

ちょっときついお話になりますが、Youtubeでいじめの動画を流したり

教室で先生をからかったりする子供などは、この段階に居るのですね。

毎回(無意識に)仕事で遅刻をして皆の注目を集めている人も居ます。

ツイッターに、自身の際どい画像を載せたり

ネットの掲示板で悪質な書き込みを続けたり。

とにかくどんな事でも注目を浴びられれば、この段階の人は満足なのです。

 

 

③3段目:反抗と攻撃

難しくなるのがここからです。

目立つことをして注目を浴びても満足できなくなると

つぎは人を屈服させる行動を起こしにかかります。

暴言を吐いたり違反をしたりして、相手よりも自分が上に立とうとします。

分かりやすいイメージで言うと学校を荒らす不良のような感じですね。

相手を攻撃してでも相手の上に立ちたい。

それによって1段目から抱えている「認められたい」という気持ちを満たそうとするのです。

この状態まで登ってしまうと、人の意見を冷静に聞き入れるのがむずかしくなります。

怒ったりしたらさらに炎上してしまいますので、「怒っている人への対処法」が必要になります。

そして、ここでの「認められたい」が上手く行かないと、最後の階段を登ってしまうのです。

 

 

④4段目:自傷

違反をしたり、暴言を吐いたり、暴力を振るっても、相手より上に立てなかった。

手は尽くしたけど「相手に尊重してもらえなかった。」

そう思ったとき、ついに自傷行為の段に登ってしまいます。

自身を傷つける行動をして

「おまえのせいでこうなった。」と相手に恨みを向けて、注目されようとするのです。

3段目までは直接対決を挑んでくるのですが、

この階に上がると直接対決をしても満たされなかったわけですから、

直接をさけて「遠隔的に」相手が嫌がることをするようになります。

・自分の体を傷つける行為

・不特定多数の異性と関係をもつ

・ストーカー

などは「遠隔的に」相手が嫌がる行為ですね。

身近な人がそのような行為に走ってしまったら、

だれでも身を裂かれるようなつらい気持ちになります。「やめて欲しい」と伝えたくなります。

しかし、覚えておいていただきたいのが

ここでの「やめて」はベストな対応ではないということ。

こちらが「やめて」と言ってしまうと

「あなたのせいでこうなった。」ことに対して拒絶のメッセージを返すことになるんです。

あなたのせいでこうなった、という思いを途中でストップしてください。

という意味合いになってしまうんですね。

こちらは身を裂かれるようなつらい気持ちになりますが

それこそが相手の求めていること。

相手の傷ついた顔を見て満たされる。

そんなのとても苦しい関係ですね。

 

 

さて、自傷行為の段階についてお話しましたが

悲しい関係にならないためにはどうしたらいいのでしょうか。

まずお互いが1段目から先に進まないことですね。

「認めて欲しい」という思いに答えてあげてください。

「○○したから凄い、○○してくれたから嬉しい」と条件づきで接するのではなく

相手の存在自体を認めてあげることです。

相手の功績や地位、特技などに関係なく

ただその人を認めてあげる。大事だと伝える。

そんなシンプルなことでいいんです。

 

 

そして、もし悲しい関係になってしまっているのなら

勇気を持って少し距離をおいてみるのをおすすめてしています。

最後の段階まで進んでいる相手に対して行動を起こすのは

火に油を注ぐようなものです。

ここまできたら、思い切って専門家の力を借りたりと、

あなた一人で解決しようとしないことが大事ですね。

 

 

少しでも悲しい思いをする人が減ればいいなと思っています。

 

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 - 境界性人格障害の特徴