境界性パーソナリティ障害の家族への接し方
ジンです。
今回は以前戴いていたリクエストにお答えして
境界性の家族への接し方についてお話ししていきます。
広く知られているものに加えて私なりの考えも語っていきます。
①いつも変わらない態度で
いつも変わらない態度で居ることは、こちらもラクですし相手の安定にもつながります。
問題を起こした時にだけ強く反応してしまうと動揺は本人に伝わって
境界性のかたは「私はダメな人間だ」と自分への否定を強めてしまいます。
だから、出来るだけブレずにマイペースを貫くのが良いのですね。
ただ問題行動の時にはなかなか落ちついていられないものです。自傷をしている家族を見て平静でいられる人は居ないでしょう。
正直この「いつも変わらない態度で」居るためには、慣れが必要だと思っています。
②対等に向き合う
境界性の人は家族に無限に責任をおしつけたり、責め立てたりを繰り返します。
親や配偶者に「あなたが悪い」とか「傷つけられた」と訴えつづける人はかなり多いですね。
もし本当に家族が傷つけてしまったなら、素直に謝る必要があるでしょう。
でも身に覚えのないことを認めて、むやみにへりくだる必要は無いんですよ。
こちらは愛していたのに本人は愛されていなかったと受け取ってしまう。そんな行き違いは誰にでも起こります。
「思い込み」と否定はせず、でも謝りもせず、伝わらなかったんだねと ただ受け止めてあげると良いでしょう。
へりくだらず、無理に謝らず。上からモノを言うのでもなく。
対等さを意識することは境界性の人との関係安定につながります。
私達も妙に思い通りに動いてくれる人や上から目線の人よりも
対等に接してくれる人のほうが一緒にいて安心できますよね。
③本人に人生の主導権を握らせる
問題行動の対応をしたり激しい感情に向き合っているとどうしても依存的な関係になりがちですが
家族とは言えそれぞれが独立した個人です。
人生の主導権はそのひと本人にあります。悪いことをしたら本人に責任を取らせ、自立した一人の人として接しましょう。
自分の人生を自分でコントロールできた体験は、その人にとって大きな自信になります。
ここまでは本などによく載っている情報です。
ここから先は私の考えをお話ししていきます。
④余計な労力をかけずに進む
家族であれば問題行動や激しい感情に振り回されることも一層多いでしょう。
境界性の治療は長期戦になることがほとんどです。
それはゴールが有るかどうかもわからないマラソンを走り続けるようなものだと思います。
だからこそ、余計な体力や精神力を使わずに進むことが大事。そう思っています。
ハッキリ言って、普段はちょっと怠けているくらいでも丁度いいんじゃないでしょうか。
暴力や罵倒、自死企図など、境界性の人が荒れた時にこちらが受けるダメージは相当なものです。
何十年もそれに向き合う家族の体と心へのダメージは計り知れません。
だから、普段はできるだけ力を抜いて歩いていきましょう。
そうは言っていられないと思う人も多いと思いますが
長期戦を走り抜くためには、スタミナを温存しておいたほうが良いですよね。
支えていて途中で家族が倒れたら、これほど悲しいことはありません。
頑張らないでいきましょう。もう充分すぎるほど頑張っているのですから。
⑤1日を乗り切ればよし
実は私は精神を病んでいた時期があります。
日常生活を送れるようになるのか、仕事はできるようになるのか。
心の病気はなかなか見通しが立たず不安が募りますね。
不安になってもどうしようもないので、その頃は「1日を乗り切れば良し」と考えるようにしていました。
先のことは考えすぎず、1日を乗り切れたらそれで充分。
そうやって毎日を積み重ねるうちに、すこしずつ病状も状況も変化していくと思います。
⑥あなたがつらいから私もつらい?
家族など距離が近ければ近いほど、苦しんでいる人の気持ちに共鳴しやすくなりますね。
悲しんでいる人の近くにいるとなんだか自分も悲しくなり、
怒っている人の近くにいると自分までイライラしてくるというやつです。
これは自然と起こることですが
本当は相手がつらくても私達までつらくなる必要なんて無いんですよね。
同じ気持ちに浸らなくても、共感はいくらでもできます。
相手の気持に引きずられて同じ感情を味わう必要はありません。
むしろ同じ感情になると相手に安心感は伝わらなくなります。
引きずられないために、まず「私達は身近な人の気持ちに影響を受けやすい」と知っておきましょう。
その上で自分の感情を選択していけば良いんです。
家族の立場でパーソナリティ障害に向き合うのは大変なことだと思います。
でも、その人と過ごす毎日にはきっと喜びもあるのだろうと思います。
ご家族の方がより多くの穏やかな時間を過ごせますよう願っています。
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