こころタウン

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自己愛性パーソナリティ障害の診断基準

      2017/03/23

 

ジンです。

 

前回 境界性パーソナリティ障害の診断基準についてお話ししたところ

自己愛性パーソナリティ障害(自己愛性人格障害)の基準も知りたいというご要望をいただきました。

確かに境界性と自己愛性を兼ね備えている人は、非常に多いように思います。

特に男性に多いですね。

Googleなどの検索エンジンで検索される数は、実は自己愛性のほうが境界性よりも多いです。

自己愛性パーソナリティ障害に悩んでいる人は境界性以上に多いのかもしれませんね。

 

 

さて

自己愛性パーソナリティ障害を一言で言うなら「プライドが高すぎる自信家」という感じでしょうか。

自分は褒め称えられ、特別な扱いを受けなければならない存在だと思ったり

目的のためには平気で人を利用したりします。

自分は王様なので、人を利用するのは当たり前という考えかたを持っているんですね。

自信に満ち溢れていて万能感を持てるのは、ある意味羨ましいですね(苦笑)

自己愛性のひとは他人を利用してまでのし上がっていく上昇思考を持っているので、

社会的に高い地位を得ている人も多いですね。

ただ言うことを聞いてもらえなかったり、プライドを傷つけられたと感じると

ひどく不機嫌になったり攻撃的になったりします。

 

私は自己愛性の傾向を持つ男性と同じ部署で仕事をしていた時期があるのですが

思い通りに動いてくれない人への攻撃が尋常じゃなかったのをよく覚えています。

ちょっとしたミスに対して「なぜ俺を怒らせるんだ」と責め立てる姿が強烈でしたね。

部下を数時間にわたって怒鳴り続けたり、プライベートでは自分をないがしろにした彼女に対して社会的な報復をしたりしていました。

あまりに熱い怒りと、怒りによる行動力に正直驚きましたね。

 

また、自己愛性のひとは他人の幸せを喜んだりできず魅力的なひとを妬むことも多いです。

自分が王様というのが彼らの絶対的なルールであり、

常に人の上に立っていないと不安なのかもしれません。

私もあれをして欲しい、これをして欲しいと要求されることがよく有りました。

でも、こちらがしてあげた事に対しては「当然だ」という態度なんですね。

度を越していなければ皆を統率できるリーダー的存在なのでしょう。

でも、非道に相手を利用したり、威圧したりする面が強く出てしまうと

モラハラとか言われてしまうんでしょうね。

 

 

 

 

さて、前回に続きDSM-Vの診断基準です。

DSM-Vでは以下のうち5つ以上に当てはまると

自己愛性パーソナリティ障害の可能性があるとされています。

 

(1)自己の重要性に関する誇大な感覚がある

(才能を誇張したり、充分な業績がないにもかかわらず優れていると言われることを期待する)

とにかく自分はすごい人で、周りはそれを認めるべき。という考えがベースにあるんですね。

厄介なのは、本当にすごいかどうかに関わらず凄さを主張してくるところです。

 

 

(2)限りない成功、権力、才気、美貌、あるいは理想的な愛の空想にとらわれている

自分には偉大なる才能があって、権力を手にするべき。

さらに自分には映画の主人公のような大恋愛が待ち受けている・・

という感じのファンタジーを抱いてしまうんですね。

想像力豊かでロマンチストなのかもしれません。

ただ、ちょっとしたすれ違いなどで恋人が理想的でないと思うと

異様に怒ってしまいます。

 

 

 

(3)自分は特別であり、独特であり、他の地位の高い人たちにしか理解されない。

または地位の高い人たちとの関係があるべきだと信じている。

自分はすごい人だから、地位の高い人達にしか理解してもらえないと思う。

ある意味生きるのが楽しくなりそうな考えかたかもしれませんね。(苦笑)

自分の人脈を妙にひけらかしてきたり、

どんなに薄い繫がりでも、有名人と関わりがあると主張してきたりします。

 

 

 

(4)過剰な賞賛を求める

自分が褒め称えられないと居てもたってもいられないんですね。

仮に自分のことをけなすような人が居たら、牙を向いて攻撃してしまいます。

何でも同意してほしいし何をしても褒めて欲しいんですね。

かなり無理があります。

 

 

 

(5)特権意識、特別に有利な取り計らい、または自分の期待に自動的に従うことを理由なく期待する。

「おまえは俺に従って当然だ」という態度ですね。

人は自分の思い通りに動くと思ってしまう。

そこに理由は必要なく、何が何でも周りは自分のために動いてくれると思うんですね。

他人が自分に従ってくれなかったとき、それが親しい関係になればなるほど激昂してしまいます。

威圧されたら従ってしまう人も多いでしょうね。

これが夫婦関係等だと「突然妻にお給料を渡さなくなる」とか「妻を家政婦のように扱う」とか

いわゆるモラハラと呼ばれるものになってしまうのでしょう。

 

 

 

(6)対人関係で相手を不当に利用する。自分の目的を達成するために他人を利用する。

私が見てきた中に、自分の生活費を彼女に支払わせている男性が居ました。

ちょっとキツイ言い方ですが彼女を金づるにしているんですね。

彼女を利用することで、彼は何だかんだ理由をつけながら「働かない」という目的を達成していました。

うーん。キビシイですね。

彼女も共依存のようになっていてどんどんお金を支払ってしまい、本当に可哀そうでしたよ。

相手の役に立っていると思うと尽くしてあげたくなりますが

不当に利用されているのではないか、客観的に関係を見つめることは大事ですね。

 

 

 

(7)共感の欠如、他人の気持ち及び欲求を認識しようとしない、またはそれに気付こうとしない。

人の気持ちが分からないということですね。

相手が悲しんでいる時に心配したり、

相手がさびしそうな時に一緒に居てあげようと思ったりすることが難しいのでしょう。

 

 

 

(8)しばしば他人に嫉妬し、他人が自分に嫉妬しているとも思い込む。

自分より優れた人を認められず、嫉妬してしまったり

自分のすごさに人が嫉妬をしていると思い込んだりしてしまう。

ちょっと面倒臭いですね。

 

 

 

(9)尊大で傲慢な行動、または態度

まるで王様のような態度を取ります。

自分の思い通りに動かない人や、自分を怒らせる人を絶対の悪だと思い込んでしまうのが

怖いところだと思います。

悪とみなした相手には激しい怒りを向け

エスカレートすると相手を傷つけてしまったり、自分を破壊してしまったりします。

 

 

 

夫婦や恋人関係だと、どうしても自分が耐えればその場は治まると思ったり

相手の行動が怖くて動けなくなってしまうことも多いと思いますが

それで体や心を壊してしまったり、金銭を搾取されてしまったり、仕事を失ったりしてしまう人が居るかと思うと残念でなりません。

追い詰められて事態が重くなる前にどうか行動を起こして欲しいと思います。

もちろん自己愛にも程度がありますから、社会的に成功したり、人と良い関係を築けているケースも有るのでしょう。

めちゃくちゃ個性的で面白い人だとも言えますしね。

ただ、相手の程度を見誤らないで欲しいと思っています。

自己愛のひとはよく「お願い」をしてきます。

お願いを叶えてあげることで役に立てたらこちらも嬉しくなりますよね。

でも、あまりに度を越した要求をされたり、相手に支配されてしまいそうになったら

ぜひ一度立ち止まって関係を客観的に見つめてみてください。

閉鎖された関係を続けずにまわりに相談してください。
一人で頑張らないことが

苦しい関係を解決するための突破口になると思います。

 
※メッセージ戴いた順に返信しています。気長に待って頂ければ幸いです。

 

Z

 

 

 

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 - 境界性人格障害の特徴